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トップメッセージ

エモーションとテクノロジーを掛け合わせることでこれまでにない新たな価値を産業界へ提供していく

2019年9月期は中期的な成長へのスタート地点。
電通グループとの提携で、競争優位の確立へ—

 今、私たちの顧客企業では、「経営の中心軸にデジタルを据える」と宣言されるケースが増加しています。DX(デジタルトランスフォーメーション)を前提にした市場開拓や事業モデルは、もはや当たり前の世界観になったとも言えます。「デジタルに舵を切るか、それとも成長を止めるか」と言われるくらい、各社のトップは変革への強い意志を持って経営に取り組まれていることを実感しています。そして、私たちセプテーニグループも、広告市場のデジタル化という大きな変化を機敏に捉え、業容を拡大してきた経緯があります。
 直近の業績を振り返ってみますと、2019年9月期の連結決算は前期比で10%増収となり、Non-GAAP営業利益は約2倍の高成長を遂げることができました。ただし、過去4ヵ年のスパンで見れば、営業利益はV字回復への道半ばという状況です。
 前期の期初にあたる2018年10月には、電通グループとの双方向かつ包括的な資本業務提携を結んだのですが、本提携によって2つのメリットが創出できると私は考えています。1つ目は、同社が当社の筆頭株主になり、資本的な位置づけから経営強化が図られること。2つ目は、従来のデジタル広告の枠を超えた「デジタルマーケティング」という領域で、優位なポジションを確保できることです。前期の業績拡大においては、オーガニックでの成長と電通グループとの連携による顧客への提供価値の増大が寄与しました。しかし、それよりも重要なのは、この提携が中長期の成長戦略を推進するエンジンになり、競争優位の確立につながっていく点にあります。私たちは今後、デジタルマーケティングの領域で、DXを軸にした顧客企業の進化やモデル革新を支援する中心的な存在になる—。つまり、2019年9月期は、私たちのこのような意思をステークホルダーの皆さまへ明確に示せるようになった一年でした。

新たな中期経営方針のテーマは「ドメインの拡張」

 私たちが従来手がけてきた運用型広告などの事業は徐々に成熟し、市場をより深掘りする方法で得られる果実は限定的となり、このままでは成長鈍化の課題に直面します。2020~2022年の3ヵ年を対象期間とした新たな中期経営方針では、こうした現状を踏まえ、「ドメインの拡張」を中期テーマに据えました。オンライン広告にとどまらず、DX市場をより幅広く捉え、まずは当社グループの中核事業に隣接する領域に向けて、ビジネスの対象を広げていきます。
 あわせて、事業セグメントの名称も、中期経営方針と合致したものに変更しています。ネットマーケティング事業については、より幅広いデジタルの領域に軸足を置き、顧客企業のDX推進を強力にサポートしていくパートナーになるという意図を込めて「デジタルマーケティング事業」という名称にしました。メディアコンテンツ事業においては、過去数年間、マンガアプリ「GANMA!」への集中的な投資を行ってきた結果、現在はマネタイズの局面を迎えています。加えて、グループ内部で生み出した新事業が順調に立ち上がっており、今後は「GANMA!」単独ではなく、複数のメディアやプロダクトを連携させたプラットフォームを構築し、その総合力によって各々を成長させていく将来像を描いています。こうした構想を「メディアプラットフォーム事業」という新しい名称に反映させました。

 また、今回発表した中期経営方針は、単年ごとに見直しを実施する「ローリング方式」にしています。その理由は、不確実な環境において、環境変化に強く、即応できる経営を行う必要があるからです。現在、日本はかつての高度成長期のように、3~5年後といった中期的な未来を正確に予測することはとても難しい状況です。そのため、未来の予測が難しい中で、自分たちなりにポリシーに合った形の中期経営方針として、毎年View(見解・考え)を更新していくこととしました。私たちは世の中の大きな変化のベクトルを認識し、近未来へのViewも持っています。ただし、こうした見解を3~5年後も変えずにいると、ズレが生じるため、1年ごとに見直しを行い、変えていくわけです。もちろん見直すと言っても、まったく違うことを打ち出すのではなく、ストーリーとして点と点がつながる状態は保持していきます。世の中の変化に対し、社会と自分たちという関係において、こういう存在になっていきたい、というメッセージになります。  なお、現時点の定量目標としては、最終年度の2022年9月期に収益250億円、Non-GAAP営業利益36億円を掲げました。新たな事業セグメントへの拡張を進めながら、収益拡大による増益での成長を目指します。

当事者意識が高く起業家精神あふれる人材をグループ成長の推進力にする

 セプテーニグループの際立った特質は、すでに顕在化している市場へ他社の後追いで進出するのではなく、潜在的な市場を創造する集団であり続けている点にあります。近未来の成長分野や社会課題にいち早く着目して大きな波を起こし、課題解決に挑んでいくアントレプレナーシップが企業文化として個々の社員に根づいているからです。おそらく、現時点ではカオスにしか見えない新たな兆候の中に、「何かになりそうだ」「成長が見込めそうだ」というものを感じ取れる能力が市場創造のカギになっているはずです。また、経営トップや上司に指示されたという理由のみで行動するのではなく、意志と自信を持ち、自分の頭で考え行動できる、いわば優秀で“尖った”人々が自由に仕事をしている状態をグループ全体の推進力に結びつけていきたいという想いも持っています。
 2020~2022年の3ヵ年においては、より変化度が高く、成長ポテンシャルがあり、自分たちが心からおもしろいと感じられる分野に経営資源を集中していく考えです。加えて、前中期経営方針の期間にも取り組んでいた、主に人的資産を対象とした「OS=事業基盤」への投資を継続していきます。直近の数年間では、独自開発したマシンラーニング(機械学習)を軸とする「AI型人事システム」をはじめ、人材への投資を充実させてきました。膨大なデータベースをもとに、社員の早期戦力化や最適配置を可能にする本システムが複数の外部機関から高い評価をいただいていますが、当社グループ内では業務生産性の向上効果も顕著に表れています。例えば、人事に関する打ち合わせや調整など、人が担ってきた業務をかなり代替できるようになりました。人材の配属・異動に際しては、「Aさんに〇〇部門の仕事をしてもらえば、現在よりもパフォーマンスが〇〇%向上する」といった、精度の高い予測が実現しています。このように、人材関連の蓄積データとテクノロジー基盤がOSとして機能し、その上に魅力的なアプリケーション(事業)を次々に創出しているというのが当社グループの現在の姿です。また、OSには社会変化を新たな成長機会と捉え、新しいビジネスを生み出していく固有の企業風土も含まれており、これらはセプテーニグループの強みとなっています。
 ここまでお話ししてきました事業展開や投資活動など、意義のある取り組みによって、「セプテーニが存在している意味とは? 提供できる価値とは?」といった社会からの問いかけに対する、より明確な答えをお示しできるようになりました。セプテーニグループは、人々のエネルギーやエモーションを洗練されたテクノロジー基盤と掛け合わせることで、人が人ならではのエネルギーを発揮させ、これまでにない新たな価値を産業界へ提供していきます。そして、これからも、当事者意識が高く起業家精神あふれる社員が世の中を良くしていくことに貢献する考えです。

利益還元について

 株主・投資家の皆さまへの利益還元については、親会社の所有者に帰属する当期利益に対する配当性向15%を目安としながら、1株当たり配当金の下限を2円と設定することで、配当の継続性と安定性に配慮していきます。今後も、業績の拡大に応じた適切な利益配分を図っていきます。