成長を支援する環境
人材育成の考え方
セプテーニグループでは人材育成の概念を「育てる」ではなく、「職場で良質な経験を重ねることで“育つ”」と定義しています。個々人が生まれ持った個性と、その人を取り巻く環境の相互作用が成長に影響を及ぼすという考え方で、それを表したのが「育成方程式」です。左辺の値である個人の成長(Growth)は、個性(Personality)と環境(Environment)の組み合わせによって高まると定義しています。また、環境を構成する要素としてチーム(Team)と仕事(Work)が存在すると定義しています。
この考え方に基づき、これまでに蓄積した膨大な人事データをAI等を用いて研究する「人的資産研究所」を社内に設置し、その研究結果から科学的根拠を持った人事施策を開発・運用しています。
取り組みの歴史
当社グループでは、社員ひとりひとりのパフォーマンスの最大化を目的として、2013年から人材に関する研究活動を行っています。「人は職場で良質な経験を重ねることで”育つ”」という考え方のもと、人材育成を科学的に測定・評価する取り組みを行っています。2014年から研究活動により得られた技術を採用活動にも応用を開始し、2016年に人材データを専門に研究を行う「人的資産研究所(Human Capital Lab)」を設立し、経営判断や人材育成に活かしています。
2017年には、独自の人材育成技術を活用した、オンライン完結型の選考フロー「オンライン・リクルーティング」を新卒採用で開始いたしました。就職活動では、特に首都圏以外の地域に住む学生にとって、移動時間やコスト、得られる情報など様々な面での制約があると言われており、これらの負担の軽減を目的にしておりました。こうした取り組みの蓄積があったからこそ、2020年以降のコロナ禍においても、スムーズに全ての選考のオンライン化を行うことができました。
キャリア開発の仕組み
個々に最適化された人材育成の仕組み
HRバリューチェーン
当社グループでは、これまで蓄積してきた人材データベースをもとに、採用~オンボーディング~育成~アルムナイを一貫したサービスとして設計した人事施策(HRバリューチェーン)を構築しています。実施した人事施策の結果は同データベースに蓄積され、運用の継続に伴いPDCAが回ることで、施策の精度が持続的に向上する仕組みとなっています。このようなテクノロジーを駆使することで「効率的かつ再現性の高い人材育成」を実現し、人的資本の最大化に取り組んでいます。
人事データの適正な利活用
人事データの適正かつ健全な活用を担保するため、当社グループでは人事データの利活用の原則をまとめた「デジタルHRガイドライン」を公開しています。前述の通り、当社グループにおいては様々な人事施策に人事データの分析が活用されていますが、それらはすべて本ガイドラインの原則に準じて運用されています。「デジタルHR委員会」を発足し、人材マネジメントに関わる立場の組織/従業員に対して三原則の遵守を監督している他、「デジタルHR相談窓口」を設置し、適宜取り組みに対する相談を受け付け、改善に努めております。
これらによって、取り組みの目的や範囲、また個人の利益やリスクに対して求められる配慮についての指針や、取り組みの運用体制などを整理しており、運用者のリテラシー向上や個人の理解を促進しています。内容は当社グループが別に定める「個人情報保護方針」や「採用活動等におけるプライバシーポリシー」などに準拠しています。
多様な働き方の支援
当社グループでは、 2020年の新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的として、2020年2月末より在宅勤務へ移行、2023年4月に在宅勤務制度を正式導入しました。現在ではテレワークを中心とした働き方が定着しています。
この在宅勤務制度導入の背景や、新たに生じた課題、またその対処について紹介します。