※すべての取り組みは「2.デジタルHRの三原則」や
「3.デジタルHRの運用体制」を遵守したうえで行います。
採用活動は求職者・企業の双方にとって重要な機会です。求職者にとっては数ある「働く場所」の選択肢から「自分が活躍できる環境」を探す機会であり、企業にとっては自社の組織力をさらに高めるための人材を探す機会です。このように重要な機会だからこそ、双方にとって最も良い意思決定ができるように、データ分析による次のような意思決定支援を行なっています。
当社が提供する採用応募者向けのコンテンツ(求人ページ、メールなど)の閲覧履歴を含む「ウェブ情報」を個人に紐づけて取得し、個人の興味関心に沿った情報提供を実施し、当社に関する一層の理解促進に努めています。
また、閲覧履歴を活用したパーソナライズは希望により停止可能な仕組み(オプトアウト)を整備しています。
応募者の「基本情報」「履歴情報」「アンケート情報」「選考レビュー」「個性診断結果」を取得し、入社後に発揮すると見込まれるパフォーマンスや、定着の可能性を予測しています(いずれも当社との相性の一種)。この予測は、過去の当社従業員のパフォーマンス発揮および定着の傾向を基に行われています。具体的には、どのような特徴を持つ従業員が、どのような環境で活躍し、また長く働いていたのかに注目し、それを予測モデルとして定式化しています。この予測モデルの結果をもとに、個々の応募者の「パフォーマンス発揮可能性」「定着可能性」を個人ごとに算出し、採用判断の参考情報として意思決定者に通知されます。
採用応募者から取得したデータおよび、パフォーマンス予測・定着予測によって加工・処理したデータを集約した帳票を出力し、採用可否/条件を決める意思決定者に引き渡します。出力した帳票以外の定性情報も踏まえて最終的な判断を行い、採用応募者に採用可否/条件の通知を実施しています。
求職者・企業双方にとっての相性を分析し、
それぞれに対して情報を共有し、
ミスマッチの防止や相互理解に取り組んでいます。
当社では前掲の通り、従業員(派遣社員を除く。以下同じ。)の個性以上に環境との相性の良しあしを重視しています。つまり、ほとんどの従業員にとって、どこかにその従業員が活躍できる環境が存在するという仮定を置いています。その仮定のもと、ある従業員が活躍・成長することが見込まれる環境を統計的に予測し、最適な環境に配置することを目指しています。
内定者・従業員の個人情報と、配置先の「組織情報」「職務情報」を活用し、配置後のパフォーマンス発揮可能性や定着可能性(配置先との相性の一種)を予測しています。機械学習や統計分析によって複数の予測モデル候補を作成し、その中から性能比較によって最適なアルゴリズムを選定しています。こうして、導出したモデルに個々の従業員のデータを適用することで、配置候補者の配置後のパフォーマンスを定量的に予測することができます。その結果が配置判断の参考情報として意思決定者に通知され、意思決定を支援します。
内定者および従業員より取得したデータに加えて、配置後のパフォーマンス予測・定着分析によって加工・処理したデータを集約し、配置を決める意思決定者に通知しています。通知された情報以外の定性情報、配置候補者の希望、配置候補先の希望も踏まえて最終的な判断を行い、担当者から配置候補者に配置先に関する通知を実施しています。
新入従業員・受け入れ先の双方に、
相性の分析結果と効果的な育成方法を共有し、
ミスマッチの防止や相互理解に取り組んでいます。
※チームメンバーの情報は、本人同意が得られた時のみ開示し、相互理解を深めております
従業員がその時々で必要としている業務に有意義な教育・研修を適切に行うことで、従業員が一層活躍・成長できるようになるほか、不適応などのリスクを下げることも可能になります。そのために、教育・研修のパーソナライズ(個人に合った機会の提供)や、育成計画の作成および本人への共有を進めています。
内定者および従業員の個人情報を活用し、ある個人にとって、その時点で最適な教育研修の提供・推奨を行なっています。過去の従業員の情報をもとに統計分析を行い、対象者と類似した人材が過去にどのような成長過程をたどったのかを明らかにしています。そのうえで、一定の成長や経験の傾向が確認できた場合には、それに適した教育研修を計画し、対象者にとって最適と考えられる時期に受講を推奨しています(部下を持つようになる場面等)。
従業員の個人情報を活用し、個別に最適化した育成計画の策定を実施しています。当社では過去20年以上にわたって従業員の成長ログが時系列データとして蓄積されており、分析可能なデータは2800名分に及びます。そのデータを解析することで、どのような人が、いつ成功するか、いつ伸び悩むかを表す「成長の型」を明確化します。また、併せてその理由を適性検査の結果を参考に言語化しました。その情報を育成対象者のデータと照合することで、いつどのような理由でどのような教育が必要かが浮き彫りになり、個々に対する最適な個別教育を計画することができます。育成計画は帳票として出力し、育成対象者およびその育成責任を保有する人事や上司などの育成担当者に通知され、育成担当者と対象者双方での分析結果を起点とした合意を経て、教育研修の実行へ移行していきます。
育成対象者と教育内容の相性を分析し、
最適な教育内容を育成担当や対象者に共有し、
効率的な成長機会の提供に
取り組んでいます。
「登用」は従業員の会社生活において大きな環境変化の一つであり、また従業員の長期的な成長にとって重要な機会でもあります。そうであるからこそ、差別や偏見を極力排除し、ポジションに適した人材を公平に登用するために、本人の意思や上司の評価と併せて、データ分析の結果を活用しています。
前掲のものと似たパフォーマンスと定着の予測モデルを作成し、個々の従業員の登用後の活躍・成長の可能性を統計的に導いています。分析の結果、登用後の環境で一定以上のパフォーマンスをあげられる「登用後パフォーマンス発揮可能性」や、一定期間以上の定着が見込まれる「リテンション効果」が個々の従業員に対して算出され、登用判断の参考情報として意思決定者に通知されます。なお、これらの予測は半年に一度更新されており、登用時期の適正化に関しても活用しています。また、分析により相性に課題があることが判明した場合は、登用を見送るのではなく、登用後に起きる可能性がある課題を具体的に提示し、登用前に課題解決に向けた計画を策定した上で、登用を実行しています。
従業員から取得したデータに加えて、登用後のパフォーマンス予測・定着分析によって加工・処理したデータを集約し、登用を決める意思決定者に通知しています。通知された情報以外の定性情報、登用候補者の希望も踏まえて最終的な判断を行い、適切な担当者から登用候補者への通知を実施しています。
登用対象者とポジションの相性を分析し、
意思決定者や育成担当に共有し、
ミスマッチの防止や登用後の成長機会の
提供に取り組んでいます。